根本的な Winny 対策

Winny というか Antinny その他のウィルスによる漏洩が真っ盛りな訳ですが、対策の方もいろいろ出てきてますな。
でも、どれも Winny クライアントに対するものばかり。 Winny ネットワークそのものに対する方策ってのは無いようです。
え?帯域制限?あれは Winny 対策というよりは単なる(自己規制)


そんな訳で、対 Winny ネットワーク作戦というものを考えてみた。
といってもやる事はたった一つ。カスタマイズした Winny (以後、カスタム Winny と呼ぶ)の配布サイトを立ち上げるだけ。
カスタマイズの内容は、アップロード機能の削除とダウンロード機能の大幅なパワーアップ。確か Winny ってダウンロードに制限がかけられていたと思ったのでその制限を無くしたものと考えてもらえばよい。オリジナルに比べるとガンガン落ちてくるように改造しちゃうのだ。
そしてここが重要なのだが、このサイトはこっそりと立ち上げるのではなくむしろ大々的に宣伝を行う。検索サイトで「Winny」で検索かけたら必ずトップにくるくらいにね。さらには、懇切丁寧な使い方とかも用意してあげたりして。
そうする事で、新規に Winny を使おうとするユーザは当然このカスタム Winny を使う事になる。おそらく、既存ユーザもこのカスタム Winny に飛びつくはず。だって、Winny ユーザの大部分は単なるクレクレ君のはずだからダウンロード効率が上がるカスタム Winny を使わない理由はない。


するとどうなるか?
最初のうちはネットワークの負荷が跳ね上がる事になるだろう。しかし、カスタム Winny の比率が増えるにつれ、状況が変わってくるはずだ。だんだん、ファイルが落ちてこなくなるのである。
考えてみれば当然の事。Winny ネットワークを支えているのは Winny のファイルキャッシュ機能およびそのアップロード機能である。それらの機能があるからこそ Winny でファイルを検索したりダウンロードできるのだ。しかし、カスタム Winny はアップロード機能を持たないため、カスタム Winny のユーザが増えても Winny ネットワーク上のキャッシュ量は増えない。むしろ、カスタム Winny の増加に比例して純正 Winny (アップロード機能を持った Winny)は減少してゆく訳だから、 Winny ネットワーク上のファイルキャッシュ量はどんどん減ってゆく事となる。


Winny ネットワーク上のファイルキャッシュ量は即ち Winny ネットワークの価値そのものである。キャッシュが少なくなれば、検索にひっかかりにくくなるしダウンロードもなかなかできなくなる。ファイルがダウンロードできない Winny に価値はあるだろうか?自然と Winny からユーザは離れてゆくだろう。そして、ユーザが減ればまたキャッシュの量も減少する。このスパイラルで Winny ネットワークは縮小の一途を辿る事になる。


さらに、ユーザ数が減少する事で新たな効果が発生する。ユーザのほとんどが純正 Winny を使っている場合、ユーザの数とファイルをアップロードしているユーザの数はほぼ同数である。しかし、Winny ユーザ全体の数が減少し、さらにカスタム Winny のシェアが増えた状況ではアップロードしているユーザはかなり少なくなっているはずだ。という事はつまりファイルをアップロードしているユーザが目立つ = 見つかりやすくなる訳である。そういったリスクを抱えてまでファイルアップロード、もしくは放流を頑張るユーザはそんなにいないと思うので、いずれカスタム Winny に乗り換えるか Winny の使用をやめてしまうであろう。こうして、 Winny ネットワークにとっての悪循環は進んでゆき、Winny ネットワークはいずれは消滅してしまう事になる。


正に「毒を盛って毒を制す」。もしくは「悪貨は良貨を駆逐する」か*1
このシナリオでは、個々のユーザが自分の利益を最大にする選択肢を選んだ結果、Winny ネットワーク全体としては最悪の結果をもたらす。いわゆる、囚人のジレンマですな。が、それゆえに効果大だと思われる。対抗策も考えてみたけどいいの思いつかなかったしw


ちなみにこの話、技術的検証は全くしていないので単なる妄想の可能性が高いです。「Winny の技術」も読んでないしねw

*1:ここでの善し悪しは Winny ネットワークにとっての、という意味ね